前回、【Zoom】Zoomのクラウド記録・ローカル記録した動画のファイルサイズの計算方法をご紹介しました。
今回は動画ファイルを編集してmp4で出力するには、どのような設定で書き出せばいいかをご紹介したいと思います。
1.動画を適切なサイズでエンコード(アウトプット)するにはビットレートが重要。ビットレートとは?
動画ソフトを使って編集してエンコード(アウトプット)したら、元のファイルサイズの10倍以上になってしまった!という方はいらっしゃいませんか?
私も動画の仕組みや設定がよくわからないうちは、アプリ内にある数字は大きければ大きいほど、画質のきれいな動画ができると思ってました。
アプリ内に「ビットレート」という項目があると思います。
推奨されている値は3,000Kbps~15,000Kbpsぐらいだと思いますが、この意味を知っていないと私のようにとんでもない大きさの動画が出来上がってしまうことになるかも知れません。
それでは、今回のメインテーマになります「ビットレートと動画サイズ」について、ご紹介していきます。
ビットレートとは・・・
ビットレート(bitrate)とは、動画1秒あたりのデータ量を表します。単位はbps(Bit per second)です。
ビットレートの値が大きければ大きいほど、1秒あたりのデータ量は大きくなります。
ここで注意していただきたいのが、1,000Kbpsの場合、1秒間に1,000KB(1MB)のデータを送信できるというわけではありません。
単位はbitなので1,000Kbpsの場合1,000Kbps÷8bitで、1秒あたり125KBのデータ量を送信します。
ビットレートには、映像ビットレートと音声ビットレートがあります。この2つを合計したものが総ビットレートと呼ばれます。
参考
8bitで1B(バイト)、1,024Bで1KB(キロバイト)になります。
ビットとかバイトとか、もうややこしい!頭痛い!ですが、もう少しだけ我慢してください。
映像ビットレート換算
1,000Kbps:125KB/秒
2,000Kbps:250KB/秒
3,000Kbps:375KB/秒
4,000Kbps:500KB/秒
5,000Kbps:625KB/秒
6,000Kbps:750KB/秒
7,000Kbps:875KB/秒
8,000Kbps:1,000KB/秒
10,000Kbps:1,250KB/秒=1.2MB(メガ)/秒
2.動画のファイルサイズの計算方法
動画のファイルサイズ(MB)は、動画の長さ(秒) × 総ビットレート ÷8 ÷1,024 でだいたいのサイズを算出することができます。
総ビットレートが大きいと、それだけ動画のファイルサイズが大きくなります。ということはアップロードやダウンロードの際に時間がかかるということになります。
動画の長さ(時間)が決まると、ビットレートをどれぐらいにするかによって、動画のファイルサイズを予想することができます。
Zoomのミーティングやウェビナーで記録された動画のビットレートはどれぐらいでしょうか?
決められたビットレートがあるわけではないようですが、だいたい150Kbps~450Kbpsで保存されているように思います。
※Zoomの場合、オンタイムの1対1ビデオ通話、グループビデオ、画面共有、パネリスト、参加者かによって保存されているビットレートは異なります。
3.2つアプリを使ってZoomミーティング・ウェビナーで撮影した動画のエンコードしてみる
前回紹介した動画を使い、2つのアプリでエンコードしたときの差をみてみたいと思います。
アプリ1.Shotcut
アプリ2.Filmore9
元の動画ファイルの情報
<ファイルサイズ>
164MB
<ビデオ>
長さ:43分15秒
フレーム幅:1920
フレーム高:1080
データ速度:306kbps
総ビットレート:522kbps
フレーム率:25.00フレーム/秒
<オーディオ>
ビットレート:215kbps
チャンネル:2(ステレオ)
オーディオサンプルレート:48.000kHz
アプリ1.Shotcut
Shotcutの場合、ビットレートは64kbps/128kbps/256kbps/512kbps/768kbps/1000kbps/1200kbps/1500kbps/2000kbps/2500kbpsから選択できます。
元のビットレート以上の値にセットても、画質が良くなるわけではないので、元のビットレートを参考に値をセットしましょう。
Shotcutのエンコード方法
①書き出しをクリック。
②一覧から、「H.264 Main Profile」を選択。
③映像タブから、解像度、アスペクト比、フレーム/秒 をセットします。
④コーデックタブをクリックします。
⑤コーデックはそのまま「libx264」
⑥レートコントロール「固定ビットレート」
⑦ビットレート「512k」b/s
⑧バッファサイズ「150000」
すべての設定内容を入力したら、「ファイルの書き出し」から、エンコードしてみましょう!
出力後のファイルサイズ
<ファイルサイズ>
164MB → 202MB
<ビデオ>
データ速度:306kbps → 439kbps
総ビットレート:522kbps → 650kbps
固定ビットレート512kbpsにしてエンコードしたので、ファイルサイズは少し大きくなってしまいましたが、256kbpsでエンコードするのは抵抗があるので、
このサイズであれば、全然許容範囲だと思います。
アプリ2.Filmore9
比較的安価で、操作がしやすく、操作マニュアルが動画で提供されている有料アプリです。
Filmore9のエンコード方法
①出力メニュー
②デバイスに出力
エンコーダ:H.264
解像度:1280×720
フレームレート:23.97fps
ビットレート:1000kbps これ以上小さいサイズで出力することはできませんでした。
出力後のファイルサイズ
<ファイルサイズ>
164MB → 344MB
<ビデオ>
データ速度:306kbps → 1001kbps
総ビットレート:522kbps → 1097kbps
一番小さい値のビットレートでも1000kbpsなので、やはりファイルサイズは約2倍大きくなりました。
画質や音声は変わらないのに、ファイルサイズが2倍になるのは、不本意です。
Shotcut 特徴
・操作は少し難しいが、詳細な設定ができる。テロップ入れには向かない。おしゃれなタイトルとかはない。
Filmora9 特徴
・タイトルや、ズーム、テロップなどが簡単に行えるものが、Zoomで記録した動画のようにビットレート500kbps以下のものをアウトプットするとファイルサイズが大きくなる。
・最低ビットレートは1000kbps。