セミナーやスタッフ向けの勉強会の資料をZoomのクラウド記録や、ローカル録画機能を利用してクラウドやパソコンに保存する機会が多くなってきていると思います。
録画した動画の不要なところをカットしたり、少し編集したいなどの要望もあると思います。動画編集ソフトを使って作業をする前に
Zoomのクラウド保存された動画はどのような設定でアウトプット(保存)されているのか、確認したいと思います。
動画ファイルのサイズの計算方法は、以下で求められます。用語は文章内で説明していきます。
動画データのファイルサイズ計算方法
ファイルサイズ(MB)= ビットレート(総ビットレート) × 再生時間(秒) ÷ 8(キロバイトにするため) ÷ 1024(メガバイトにするため)
Zoomのクラウド記録機能で撮影したファイルのプロパティを確認したいと思います。
この動画ファイルは43分15秒の動画で164MBでした。この分数でこのサイズは動画ファイルとしてはとても小さいと言えます。
適切なサイズで加工・編集しないとめちゃくかデカいサイズの動画が出来上がってしまうことがあります。ファイルサイズが大きいからと言って、必ずしも画質がきれい、音声が良くなるというわけではありません。
<ファイルサイズ>
164MB
<ビデオ>
長さ:43分15秒
フレーム幅:1920
フレーム高:1080
データ速度:306kbps
総ビットレート:522kbps
フレーム率:25.00フレーム/秒
<オーディオ>
ビットレート:215kbps
チャンネル:2(ステレオ)
オーディオサンプルレート:48.000kHz
プロパティの説明
【フレーム幅・フレーム高】
動画のフレームのサイズ。撮影する媒体によって異なる。セミナーなど動きの少ない動画の解像度は1280x720でも十分だと思います。
大きいサイズ撮影しておいて出力(エンコード)するときにサイズを小さくすることも可能ですので、1920x1080で撮っておいた方が無難だと思います。
1920 x 1080 (pixel):1080p FHD(フルHD)
1280 x 720 (pixel):720p HD
【データ速度(ビットレート)kbps】
bpsは"Bit per second"の略で、1秒間に何bit(ビット)のデータを転送できるかを表したものです。
1,000bps=1Kbps(キロビーピーエス)、8bit=1Byte(バイト)なので、この動画でいうと「306Kbps」は1秒間に約38KBの通信で配信したことになります。
【総ビットレート】
データ速度(ビットレート)とオーディオビットレートを足したもの。1秒間のデータ量。このプロパティでいうと、306+215=521 約522kbps
【フレーム率 fps】
fpsは"frames per second"の略で、1秒間に何数の静止画を使って記録するかを表したものです。
Zoomは25fpsに設定されています。あまり動きのない動画の場合は、出力するときにこの値をもっと下げてもいいと思います。
(参考:テレビ番組は30fps、映画など自然な動きを表現したい場合は24fps )
※Zoomは、PCの負荷、回線状況によって25fps →24fps→15fpsとフレームレートを変化させながら、通信が止まることを避けてくれているそうです。
最初の公式に当てはめると、
522ビットレート × 2595秒 ÷8 ÷1024 = 約165MB
計算した結果は、動画ファイルのプロパティとほぼ同じサイズになりました。
プロパティの数字の意味するサイズを理解してもらうと、どのようなサイズで出力されるか分かるようになります。
セミナー動画の最初と最後や休憩部分をカットしてYoutubeにアップしたい、データとして保存しておきたい場合、
どのような設定で出力(エンコード)していけばいいか、次ページでソフト数種類を使ってみていくことにします。(予定)
参考
<YouTube 通信速度の目安(下り)>
HD 1080p : 5Mbps
HD 720p : 2.5Mbps = 312KB
SD 480p : 1.1Mbps
SD 360p : 0.7Mbps
<解像度 ビットレートの目安>
360p:350Kbps~510Kbps
480p:460Kbps~700Kbps
720p:700Kbps~1500Kbps = 85KB~183KB
1080p 1500Kbps~3000Kbps = 183KB~366KB